さて、早漏が判明した吉澤くん。
一体どうなるんでしょうか…
そんなこんなで皆が帰った後の二人の会話をちょっときいてみましょう。


(;^▽^)<わ、私そんな気にしてないから

(;0○〜○)<は、はははははH

(;^▽^)<なんていうか…わ、私、本当に気にしてないからね

(0○〜○)<…はい

(;^▽^)<別に、そんなえぇっと、鍛えなくてもいいからね?

(0○〜○)<…ハイ

(;^▽^)<えぇっと、えぇっと…

(0○〜○)<…

(;^▽^)<あのさ ←イヤな予感がしてる

(0○〜○)<はい?

(;^▽^)<もしね、このことをあの二人(( `.∀´)ヽ^∀^ノ)に相談するってことになるとね、

(0○〜○)?

(;^▽^)<それはすごく周りに広まることだと思うよ

(;0○〜○)<(すでに広まってる気もするんだけど)

(;^▽^)<ほ、ほら、私気にしてないしさ、ね?

(0○〜○)<…あのー

(;^▽^)<なに?

(0○〜○)<い、いや…やっぱしいいです

(;^▽^)<(なんだろう)

(0○〜○)<(やっぱり相談するべきかなぁ)

(0○〜○)<…よし、やっぱし圭ちゃんにきいてみよう

(;^▽^)<…聞かないでいいってばー

(0○〜○)<んーだって…

(;^▽^)<(聞いたら私がカオリさんに相談してるのバレちゃう…)

(0○〜○)<んー

(;^▽^)<私、本当にいいの、ね、だからヤメよ?ね?

───数日後

川‘〜‘)||<カオリはね、もっと挿れる前に時間かけろって
      言ったりしてるよ
(;^▽^)<は、はぁ…

川‘〜‘)||<あとね、もっと萌えさせるようにセクシーなポーズと
       下着とか…あとは…
       あ、そうだ、ガマンしてもらうようにお願いもする。

(;^▽^)<お、お願いですか

川‘〜‘)||<そ、上目遣いで潤んだ目とかで『マダダメ』って

(;^▽^)<(そんなこと言ってるんだ)

川‘〜‘)||<石川もやってみそ?

(;^▽^)<わ、私そういうの、あの、似合わないと思いますから…

川‘〜‘)||<いや、きくよ!絶対きく!!!

(;^▽^)<でも…

川‘〜‘)||<それかね、Fやって、逝きそうになるとワザと止めるとか

(*;^▽^)<F…ですか

川‘〜‘)||<うん、これもまたテクニックの一つよ

(;^▽^)<あの…ふ、ふぇ・・…って…

川‘〜‘)||<フェラ?

(;^▽^)<(ストレートすぎだわ)

川‘〜‘)||<カオリは自分からする時もあるよ

(*^▽^)<(本当ストレートだわ)

川‘〜‘)||<圭ちゃんがしてってお願いする時もあるけど

(;^▽^)<…はぁ

川‘〜‘)||<石川

(;^▽^)<はい

川‘〜‘)||<きりりと逝こう

───その夜の帰り道

(;^▽^)<(どうしたものかしら…)

(;^▽^)<(でも突然なんてねぇ…)

(;^▽^)<(…どうしよう)

(;^▽^)<(私、きりりと逝った方がいいのかしら…)

───その頃

関西在住のある人と話し合っていた吉澤くんは、
色々とやってみる気になっていました。
でも、やっぱし悩んでいました。
(早漏を直すという目的が最初にあったことを忘れかけているのは内緒です)

(;0○〜○)<い、いやいやいやいやいやいや

(;0○〜○)<ぼ、ぼ、僕からそんんんsなんことおせせるえであらhぇも

(;0○〜○)<(紗耶香も、女の人はそういうの嫌いな人多いってきてるし)

(;0○〜○)<(く、口でってことだもんなぁ…)

(;0○〜○)<(でも無理矢理なんてイヤだし…)

(*0○〜○)<(…でも)

(;0○〜○)<(いやいやいやい・…)

───その夜

(;0○〜○)<はぁ、どうしよう…

(;0○〜○)<でもいきなりそんなの…ガチャッ

<ただいまー

(0○〜○)<あ、おかえりなさーい

(;0○〜○)<(ど、どd、どおうしdそあだmhぁあvふぁ、lfhぁ)

 


***

「ごめんね、遅くなっちゃった」

そう言って帰ってきた石川さんの額にはうっすらと汗が浮かんでいた。
手にもたれたコンビニの袋の中に見える缶も汗をかいているらしく、ビニール袋が空き缶のカタチを
くっきりと浮かび上がらせていた。

「何買ってきたんですか?」
「なんか暑いからさ、たまには喉ごし爽やかにいこうかなーって思って」

手渡された袋の中に入っていたのは350mlの缶。
ちょっと汗をかいて温くなっていたビールだった。

「一緒にさ、ちょっと飲もう?」


小首をかしげて靴を脱ぐ姿に、僕の喉はゴクリと音をたててしまった。


袋から速攻で冷蔵庫に移されたビール。
そして、汗かいたから先にシャワーを浴びてくると言ってお風呂場へと消えていった石川さん。
独りぼっちで手持ち無沙汰な僕は、さっきの考えとかがぐるぐる脳内で回ってしまっているせいで、
なんだかすんごく落ち着かなくて、見ているはずのテレビも目に入ってこなくて、
髪をガシガシかきむしってみたり、意味もなく眼鏡をかけてみたりしていた。
正直、脳内妄想だけで何処かに逝ってしまいそうだ。
あー落ち着け、落ち着け僕。
別に今日何かがあるとかそういうワケじゃないんだぞ。
そうだ、そうだ、うん、そうだよ、だって石川さんがノリ気じゃないかもしれないんだし…

…CDでも聴こう。
そしたらちょっとは落ちくかもしれないや、うん、そうだそうだ、うん。

そう思ってセットしたCD
僕はやっぱし自分が落ち着きないことをセットしたCDから流れてきた曲で再認識する。

「…HI-D」

か、歌詞意識しすぎちゃうじゃんかよ…
エロいよ…エロいってばよ…
いや、雰囲気としえてはとってもいい。
っていや、何雰囲気作りしようとしてるんだよ、違うよ…違うよ…
って何が違うんだよ。
あーあーあー、ほら違うのに早く代えてもっとリラックス出来るのに…

「何どたばたしてるの?」
「あ…」

お風呂、早いですね。
あ、いつもに比べたらってことですよ、そんな深い意味はないです、はい。

「ん、だって汗流したかっただけだから」

あーそうですよね、そうですよね、でもばっちりシャンプーとかしてますね。
いい香りがしてきますもん。

「…大丈夫?何か今日変だよ?」
「大丈夫で、全然大丈夫です。元気です。だからビール飲みましょう」

今だに不信がる石川さんの背中を押して、ソファーに座らせ、冷やしておいたビールを取り出す。
おつまみになるようなモノはあまりないけど、冷蔵庫の中をごそごそあさって
適当なモノを取り出してお皿に盛って出来上がり。
テーブルにお皿を一つ持ってくと、まだ全然乾いてない髪をかきあげてから、石川さんがニコッと笑って
『ありがとう』と言った。

…ねぇ、石川さん、石川さんも今日ちょっと変ですよ?
あの、なんていうか…いつもの三割り増しくらいで色っぽいです、はい。

なんてことは言葉に出せない。
変わりにまた僕の喉はゴクリと音をたててしまった。
正直、お酒なんか飲んじゃったら理性を保てる自信がなかった。

 

 

 

それでもやっぱり大好きな人と一緒に飲むお酒というのはおいしいもので、
あんまり普段飲めないのに、勧められるままに喉の奥をビールは駆け抜けていく。
そして僕よりも早いスピードで、石川さんの喉の奥へとお酒は駆け抜けていった。
結構ハイペース。
それも石川さんがすごい飲んでる。
CDが一回転する頃にはお皿が空になり、机の上には数本の空き缶が転がっていた。
いつもは、家じゃんこんなに飲むことなんてない。
誰かが来た時は別だけど、二人いる時はこんな飲むなんてことない。
どうしたんだろう、何か、イヤなことでもあったのかな…

冷蔵庫の中から最後の一本のビールを取り出して、一点を見つめてジーッとしている石川さんに手渡す。
言いたくなければ無理に言ってもらおうと思わないけど、力になれるならなってあげたいな。
そんあことを思ってさっきよりも近くに、石川さんのむき出しの腕に、僕の腕が触れるくらいの距離に座って
細くて華奢な肩をそっと抱いた。

いつもよりも、ちょっと熱いのは、お酒のせいなのかな。
それとも、窓から入ってくる風だけじゃまだまだ暑いからなのかな。

CDが自動的に二枚目に移動する。
その音が静かな部屋に鳴り響くと、石川さんが僕のシャツをぐっと握りしめて、何かを決意したかのように
ビールをぐいっと自分の口に含んで僕の口に流し込んできた。

僕は、それがあまりにも突然なことで、口から流れたビールの冷たさとか、勢いあまって
ぶつかった軽い歯の痛みとか、石川さんの熱い唇の柔らかい感触とか、そんなの全然最初は感じなかった。
感じたのは、ゆっくりと唇が離れていった頃だ。
潤んだ目が僕を見上げ、濡れた唇が僕に塚付き、胸元に零れた液体をその唇から覗く舌がすくい、
そのまま僕をフローリングの床にゆっくりと押し倒す。

何処でいつ、どんなスイッチが入ったのかは分からない。
だけど、ゆっくりと僕のシャツに手を伸ばし、自分のシャツを乱暴に脱ぎ捨てるその姿は、
いつものベッドの上の姿とは全然違って、なんていうか、荒々しいのに、すごく美しいと思った。
完全に乾ききってない髪が石川さんの鎖骨を滑るところや、足から落ちたズボンと下着が
滑るように床に上に投げ出される画を、そういうのを全部、美しいと思った。
彼女がすること全てが、僕の媚薬に変わっていった。
そう、彼女の全てが、僕には魅力的なのだ。

 


チロチロと僕の上を這い回る舌。
いつになく積極的な石川さん。
言葉を発することもなくひたすら必死に僕を探り、自分の呼吸を忘れてしまっているんじゃないかと
思う程に、彼女は息を切らし、汗をかけながら僕に触れていた。
そう、僕が彼女に触れることなんて出来ない程にだ。
正直、どうにかなってしまいそうだった。
石川さんの一生懸命さとか、実際感じる舌の感触とか、唇の感触とかで、理性すら失いそうになっていた。
だけど、ベルトに手をかけられて、ゆっくりとファスナーが下ろされていくと、
僕はさっきまでの脳内で再生されていた映像が一気に溢れだし、ありえない程に緊張してしまって…
つまり、あれだ…

「…吉澤くん?」

緊張で…勃たなくなってしまったのだ。


やべ、マジ情けない。

 


     *     *     *     *     *

 

テンパっていた私。
お酒の力を借りて背中押してもらおうなんて思ってた私。
全然酔えなくて、だけどちょっとは大胆になってみようかと思って、行動に出た私。
気持ち良いって感じてもらいたいとか、色んなこと考えてたのに、もう必死すぎて
吉澤くんの表情なんて見ることもできなかった。
自分が脱ぎ散らかした服が何処にあるのかとかも、全然分かってないくらいだから。

でも、いくらテンパってたからと言っても、分かるものは分かるもので…
途中まで、吉澤くんが感じていてくれたこととか、分かってた。
だけど、いざその時ってなったら、まるで陽にあたった土竜のように(何かの漫画じゃそう書いてあった)
くてーっとしてしまって…
テンパっていた私は現実世界へようこそ私みたいな状態になったのだ。
あの、冷静になれたってことね。
そして冷静になれた私が見たのは、引きつったなんとも言えない笑い顔をしている吉澤くんの顔で、
そのまましばらくお互いに固まったままでいたら、彼の口から乾いた笑い声が漏れてきた。

「あー…えっと、あの…」
「…。」
「す、すいません」

そう言って服に伸ばす手を捕まえる。
…というか、反射的に捕まえてしまっていて

「いいから」
「え?」
「そのままでいいから、目、瞑ってて」

私は今までの勢いにまかせるかのように、彼のズボンを引きずり下ろした。

 


     *     *     *     *     *

 

僕の脳内に、またあの画が再生された。
でもそれは一瞬のことで、そんなのは一瞬で何処か遠くへと吹き飛ばされてしまった。

「駄目!開けないで!!」

そう言った彼女の顔だけが瞼に焼き付き、きつく瞑った瞼の奥で、彼女の顔がちらついた。
背中に電気が走ったような感覚。
彼女の指が僕のに触れていて、彼女の口が、僕のを舐めて、含んでいた。
真っ白になる頭。
ぎこちなく動く舌や口内の温かさが、僕の頭をより真っ白にさせていった。

…やばい、何も考えられなくなりそうだ。

 

     *     *     *     *     *

 

聞いたことのないような吉澤くんの声が耳の奥に届いてくる。
やり方なんでよく分からないし、とりあえずは歯を立てないようにとかしか考えられなかったけど、
いざやってみて、こんな風に感じてくれているのを見るのは悪い気がしなかった。
いつも、思っていた疑問、それが解決された気がした。

与えられている間、与えている側の人は満足なのだろうか。

答えは今、私が体験している。
吉澤くんの声や反応が私に与えられている時のような気分を運んできてくれていた。
言われたままに目を瞑り、漏れる声を抑えようとなっている表情とか、
私の髪に触れている手の感触とか、なんていうか、考えていたのとは違うモノが私に流れてきていたのだ。

「…うアぁ!」

くわえるのが好きかって言われたら、素直にYESと答えるのはまだ無理かもしれない。
だけど、こうやって感じてくれている姿を見るのが嫌いかって言われたら答えはNOだ。
愛しい人というのを見て感じていると、どうしてこんなにも胸がキュンとなるのだろうか。
そういうことも、私はまだ分かっていない。
ただ、好き。
それしか、分かってない。

しばらくすると、私の口の中で大きくなり、自己主張をはじめたソレを吉澤くんがそっと私の口から抜き、
私のことを一度きつく抱き締めると、耳元でそっと言葉を囁いて、それから私の中に入ってきた。

上から吉澤くんのことを見たのは初めてかもしれない。

いつもよりも激しい彼。
そして、私。
落ちた汗が重なって、もっともっとと叫んでいる。
溢れ出る私がもっと彼を求めている。
音楽なんて聴こえないくらいに夢中になって身体を合わせ、声を抑えることもせずに、
相手に身を委ね、そして私はもっと正直になり、彼を求めた。

身体に腕が回されて、私はまた彼を見上げる。
汗で濡れた額に指を伸ばして張り付いた前髪をそっと拭い、もう一度ゆっくりと動きはじめる
彼のことをきつくきつく抱きしめた。

濡れた背中、私をめちゃくちゃにする彼自身。
だけどもいつでも私に気遣うことは忘れていないその姿に、私は愛されているということを実感する。
愛で満たされるということは、何よりも贅沢なんじゃないだろうか。
必死で我慢をする彼に『いいよ』と囁きかければ彼はなんとも言えない表情をする。

きっと、分かっている。
私が思っていたこと、彼が悩んでいたこと。
だけど、ゆっくりでいいじゃん。
私は、こんなにも愛されてる。
大丈夫、全然平気だよ、私はすごく満たされてるから。

彼の頭を胸に抱えるようにしてぎゅっとした。
胸の鼓動を伝えるように、抱きしめて、私は彼を絶頂へと促した───

 

 

吉澤くんは、ティッシュで私のお腹とかを拭きながら、やっぱり情けない顔をしていた。
服を着せてくれる間もやっぱり情けない顔をしていた。
一緒に空き缶の片付けをしている間もやっぱり情けない顔をしていたから、
ベッドに入ってその顔にチュッと音が鳴るようにキスをした。
そしたら今度は情けない顔からニへッとちょっと笑ったような顔にかわった。

あー私、すごい吉澤くんのこと好きだー。
今の笑顔を見てそう感じる。
胸に飛び込んで抱きしめてもらうと、それだけですごく、安心する。
好きが、全然止まらないんだよね。

『ありがとう』
こんな言葉をまさかエッチの最中に聞くなんて思ってなかった。
だけど、それはとっても吉澤くんらしいことで、なんだかちょっと恥ずかしい感じ。
だけども私は勇気を出してよかったんて思ってる。

またね、今度ね、いつかね。
こんな言葉は今は恥ずかしいから言えないから、だからもう一回キスしてあげる。
それで一緒に眠ろう。
そしてできれば同じ夢を一緒に見ようね。

また夜はやってくるから。
もっと、魔法をかけてあげられるように、頑張るからね。
私のこの想いを吐息に変えて、あなたに届けてあげるから。