仕事場の近くに養護学校がある。
で、そこに通ってる男の子と、2週間くらい前からかな?
あ、違う、もっと前からだ。
まぁともかく、何度か目があってニカーッてしるうちに仲良くなった男の子がいる。
中学生かな?高校生かな?どうだろ、でもそのくらい。
その子はいっつも私を見つけると笑顔で頭をぽりぽりかいて、
私を手で呼んでいつも話しをしてくれる。
交わす言葉は少しだけど、真直ぐな少年だなってすごく感じた。
最初は『さよなら』の挨拶だけだたのが、いつの間にやらそこに会話が+@され、
仕事の終わり間近に元気をもらう。
手で呼ばれて小さい子がこしょこしょ話しをするみたいに
両手で口を覆って、近付けた耳に『頑張ってね』と言って
すごい笑顔で去っていったり、私がとんでもなくバカなドジして
怪我してた時にはかなりのマジモードで怒ってみたり。
喜怒哀楽が素直に出せるっていうのはすごいことだと思うのよ。
で、誰かを怒れるっていうのは本当にすごいことだと思う。
少年は真直ぐだ。
今日も西日が強い時間帯にいつものようにやってきて、
自分の頭を指して髪を切ったことを教えてくれた。
そしてさよならのちょっと前に私の手をぎゅっと両手で握って、いつものように
『頑張って』
と言ってくれた。
私が元気でいれるっていうのはそれは周りに誰かがいるから。
私は思う。
自分もこんな風に誰かに元気をあげられるような人になりたいと。
あ、何?吉澤くん、ちょっとこの話し聞いて嫉妬とかしちゃってる?
今日何かあったって訊いたの吉澤くんじゃん。
そりゃ色々あるよ、吉澤くんが学校で誰かとお話してるのと同じだよ。
ほら、だから笑おう。
ニコーっとにこーっと。
ね、大丈夫。
私は、誰かに元気を分けてあげたいの。
で、私も元気をもらうの。
その相手?
今の相手、そんなの分かってるでしょ?
目の前の眼鏡の奥で、大きなひとみがニコッと笑った。
ほら、笑った方が幸せな気持ちになったでしょ?